症状
耳が聞こえにくくなるものを指していて、小児でも見られますが老齢者に多くなっています。これが更に酷くなったものを聾(ろう)と言い、ほとんど聞こえなくなります。
原因
年齢を重ねると共に聞こえなくなっていくのが老人性難聴です。これは加齢に伴って音波を感知しにくくなるためで、耳の組織における弾力性の喪失に由来します。進行は遅いため、気づきにくいですが、発症は二十歳過ぎと言われています。通常、最初に聞こえなくなるのは高周波の音であり、次第に低い音を聞き取るのにも障害をきたします。騒音に由来する難聴(なんちょう)は、内耳に存在する有毛細胞の損傷から引き起こされます。短時間の騒音であれば一時的に聞こえにくくなるだけですが、これが長期間持続すると永久的に難聴を引き起こします。耳硬化症は内耳の周囲の骨が異常に大きくなってしまう遺伝性疾患であり、これによってあぶみ骨の振動に障害をきたし、音の伝道が不完全となります。その他、薬や関節リウマチ、パジェット病、全身性エリテマトーデス、結節性多発動脈炎などが原因となることもあります。
治療法
鼓膜損傷や中耳骨の破壊が原因であれば、再建手術が行われます。関節リウマチなど自己免疫疾患由来のものでは、コルチコステロイド薬が用いられます。腫瘍が原因であれば、それを取り除きます。滲出液由来のものでは、チューブを留置させるため、鼓膜の切開をします。本疾患は原因によって治療法も違ってきますが、治療できないケースもあるため、この場合、補聴器を使うことになります。