症状
急性原発性の本疾患では、熱の上昇や悪寒、咳、息切れなどを生じます。これらの症状は凡そ一週間から三週間程度の潜伏期を経て出現します。また、関節炎や結膜炎、血痰が見られることもあり、皮膚上には結節性紅斑が出現する場合もあります。進行性コクシジオイデス症は急性原発性コクシジオイデス症を経て発症します。発病までの期間は数週間から数年と幅広くなっています。症状が出現した場合、微熱、体重減少、食欲減退などで、進行するに伴って呼吸困難も示されるようになります。通常は肺において感染しますが、腎臓や肝臓、脾臓、骨といった他の器官へ拡大するケースも見られます。
原因
コクシジオイデスイミティスによる感染が原因となります。この真菌の胞子はアメリカの土壌に多く含有されており、気道を介して侵入し感染します。日本ではこれらの地域に旅行した人が感染します。コクシジオイデス症は肺に病変を招く疾患であり、軽いものであれば放置しても治癒することがあります。これを急性原発性コクシジオイデス症と言いますが、重症化すると感染も全身に拡大し、死に至ることもあります。この場合、免疫不全が関与しており、進行性コクシジオイデス症と呼ばれます。
治療法
フルコナゾールやアムホテリシンBなどが用いられます。また、ケトコナゾールやイトラコナゾールといったものが使われることもあります。以上は、進行性コクシジオイデス症に適用されますが、急性原発性では放置してもほとんどの症例で自然治癒します。