ノカルジア症

症状

皮膚ノカルジア症は菌腫型、リンパ管型、限局型に分類されます。菌腫型は、皮下膿瘍を生じるものであり、足背及び足関節などに見られます。瘻孔を形成し、膿汁が排出されます。リンパ管型は小形の潰瘍をリンパ管上に出現させるものであり、飛石状に見られます。限局型は瘻孔などを認めない皮下膿瘍を作るものを言います。内臓ノカルジア症は、肺、脳、播種性のものがあります。肺ノカルジア症は熱の上昇や喀痰、咳、血痰、胸痛を出現させ、多発性肺膿瘍を生じます。脳ノカルジア症では脳圧亢進や巣症状を呈し、肺のそれに脳膿瘍を合わせて発症します。

原因

皮膚ノカルジア症と内臓ノカルジア症があり、前者は損傷した皮膚から侵入するもので、後者は肺に感染した後血行性に全身へ拡大するものを指します。ステロイドを利用している患者や癌、糖尿病、造血器悪性腫瘍を有する人に多く見られます。化膿性肉芽腫性疾患であり、急性若しくは慢性に経過します。真菌症として処理されることもありますが、これは真菌に良く似ているためです。本疾患はノカルジア属、ノカルジア科、放線菌目に起因する疾患であり、分岐状菌糸からなります。

治療法

サルファ薬が最初に用いられます。またペニシリンやマクロライド、テトラサイクリンといったものを組み合わせて用いられます。基本的には半年以上に渡る長期間の投与を要しますが、これは各組織への移行が良好でないことに由来します。その他、ドレナージが膿瘍形成を見る場合に適用されます。