放線菌症

症状

顔面頸部、肺胸部、腹部などに分けられます。顔面では、腫脹や発赤、疼痛などが示され、中でも頸部及び下顎部に見られます。また徐々に硬化していき、板状硬結を形成し、瘻孔が発生します。肺胸部では気管支肺炎の症状を呈します。このため、微熱や咳、喀痰が見られ、更に肺膿瘍が生じると膿性痰が見られるようになります。肺気腫や気管支拡張症、慢性気管支炎といったものが認められる場合、放線菌が増える傾向にありますが、基礎疾患は見られないケースが多いとされます。その他、胸膜に炎症が達すると、胸水貯留や胸痛を生じます。これが浸潤して胸壁に達し、瘻孔が作られます。

原因

真菌症として処理されることもありますが、これは分岐状菌糸からなるためです。放線菌症(ほうせんきんしょう)では口腔内において菌が増殖し、歯周炎やう歯を介して生体内へ入り込み顔面などに影響を与えます。また損傷した粘膜部から入り込むこともあります。消化管に嚥下された場合、消化管に異常をきたし、気道から吸い込まれると、肺病変を招きます。その他、手術や外傷による損傷部から感染するケースも見られます。それぞれの場所で生じる病変は膿瘍形成であり、これが繊維化して進展することになります。血液を介して脳や肝臓、骨といった個所に広がります。

治療法

ペニシリンGが最初に投与されます。ただし、アレルギー反応をペニシリンに対して示す場合、セファロスポリンやマクロライド、テトラサイクリンが用いられます。その他、ピペラシリンやアンピシリンといったものが適用されることもあります。