細菌性赤痢

症状

突如として熱が上昇し悪寒を随伴させます。また全身性倦怠感を訴え、水溶性下痢を生じます。通常、潜伏期を数日おいて生じ、上記の症状は二日程度継続します。そして膿粘血便や腹痛、テネスムスを生じ、赤痢特有の症状を呈します。日本では重症化するケースが少なく、通常一週間程度で改善が示され自然治癒方向に向かいます。ただし、放置した場合は数ヶ月の排菌状態が継続します。

原因

大腸菌の生物型とされていて、非常に近接する菌種と考えられています。細菌性赤痢(さいきんせいせきり)の菌種はA群からD群の四つに分類され、感染源は人間となります。大腸粘膜細胞内へ入り込んだ菌はそこで増殖を繰り返し、化膿性炎症を招きます。サルモネラのように病変が腸管外へ達することは無く、潰瘍若しくは微小膿瘍を粘膜に形成します。尚、上皮細胞へ浸潤し、細胞内での増殖及び変性破壊、そして細胞間感染による伝播が、大腸粘膜において赤痢菌が感染して発症する仕組みとなります。

治療法

全身管理として輸液や食事療法が行われます。除菌は抗菌薬によって実施され、生菌整腸薬であるビフィズス菌や乳酸菌などを組み合わせて用いられます。尚、菌排除を遅滞させるリスクが生じる止瀉薬若しくは蠕動抑制薬の利用は避けます。また脱水を悪化させるリスクが生じる解熱薬の投与も避けます。更にニューキノロン薬との組み合わせが良くないとされるケースもあるため、薬剤の選択には注意を要します。