アテローム塞栓性腎疾患

症状

アテローム塞栓性腎疾患(あてろーむそくせんせいじんしっかん)では緩やかに腎機能低下が進んでいくため、症状が現れた時にはかなり悪化しています。腎不全が長期間持続して病状が悪化すると食欲不振や吐き気、集中力低下、疲労感、痒みといった色々な症状を訴えるようになります。いずれも神経、心臓、筋肉、皮膚、脳、消化器といった組織が腎不全によって侵されて現れる症状です。

原因

腎臓上部の動脈から流れてきた脂肪性物質の断片が、細かく枝分かれした腎動脈を塞いでしまうことが原因となります。これらの断片は大動脈の血管壁に付着していたもので、普通は二つある腎臓に対して同時に障害が現れます。この病気は高齢者に多く見られます。尚、この脂肪性物質からなるアテローム塞栓は腎臓以外にも障害を与える可能性があり、目に移動した際は突然失明に至ります。また皮膚においては壊疽(えそ)を引き起こしたり、肌の色を斑模様(まだらもよう)にしたりもします。また脳に塞栓が移動した際は、軽い脳卒中を惹起します。

治療法

腎不全が悪化したケースの治療法では透析と腎移植のみとなります。通常、脂肪性物質の剥離に起因する塞栓を予防することに注意が注がれます。体が直ぐに反応するケースでは、その障害も小さなものになります。一方、脂肪性物質或いはその断片が剥離し続けると身体の各部分が正常に作用しなくなり死を招くこともあります。尚、アテローム塞栓とは脂肪性物質が断片化した数多くの物質のことを指していて、アテローム塞栓性腎疾患では、この物質が腎臓上部の動脈から腎動脈の細かい分岐に移動し、ここで血流を塞いでしまうために腎機能低下が引き起こされます。