症状
浮腫が下肢及び顔面に現れ、悪化すると全身に及び、更には皮下細胞にまで影響を与え、皮膚線条を呈します。重度の蛋白尿及び低タンパク血症を示します。また、腹水及び胸水貯留が見られ、このことから胸部における不快感や腹部膨満感などを訴え、時には呼吸困難となるケースもあります。爪には白線が帯状に現れますが、これは低蛋白血症が長期に渡って継続したためです。この低蛋白血症が悪化すると急性腎不全及び抹消循環不全に至ることもあります。尚、微小変化型ネフローゼ(びしょうへんかがたねふろーぜ)は、糸球体における光顕に異常がほとんど見られず、蛍光抗体法によって陽性が示されないネフローゼ症候群のことを指しています。
原因
T細胞の機能障害が原因ではないかと指摘されていますが、ハッキリとしたことは解明されていません。直接的には基底膜における透過性を上昇させ、尿タンパクが露出することに起因しており、これは上皮細胞の働きをリンホカインと呼ばれる物質が障害することに由来します。リンホカインはT細胞が活性化することによって作り出されます。尚、最近では、IgA腎症、悪性リンパ腫や食物アレルギーの他、薬剤ではインターフェロン、アンピシリン、リチウム、リファンピシン、チオプロニン、NSAIDといった二次性ものが指摘されています。
治療法
ステロイドによる治療法が一般的で、これとともに減塩食及びタンパク制限による食事療法が中心となります。また安静にすることも必要です。半年に二回以上再発するケースを頻回発症型と言いますが、この基準に触れるとシクロスポリン及びシクロホスファミドといった免疫抑制薬による治療法に移行します。見通しは比較的良いとされているため、悪化して腎不全に陥るケースは少ないとされています。