IgA腎症

症状

IgA腎症(あいじーえーじんしょう)では、免疫学的検査においては血清IgA濃度の上昇が見られます。また肉眼的血尿も見られる場合もあり、全ての患者は顕微鏡的血尿を示します。その他、継続しての蛋白尿が見られるケースもありますが、多くは腎機能が維持されています。尚、この病気は初期段階で症状をあまり示さないため、定期検診などで発見される場合が多いと言われています。

原因

IgA腎症の原因は詳細に解明されていませんが、IgAが腎臓の糸球体において沈着し、補体を活性化して細胞を障害している病態を示しています。正確には糸球体のメサンギウム領域において、ガンマグロブリン(IgA)と呼ばれる免疫に関与するタンパク質の一種を主体にしたものが沈着する症状を指しています。日本においてこの病気は慢性糸球体腎炎の中では大半を占めています。一般にはIgA腎症と呼ばれていますが、ベルジェ病とも言われます。

治療法

特に治療法といものは存在せず、腎機能の障害が認められなければ、極端な運動と食塩の摂取を控えることで問題ないとされています。薬物療法では通常ジピリダモール及びそれ以外の抗血小板薬が利用されます。その他の治療法では血漿交換療法及び免疫抑制薬などが試みられています。小児では早期のステロイドの利用でその有効性が示されたとの報告例もあります。更に完治した報告例では、扁桃腺を切除して副腎皮質ステロイド薬を利用するといったものがあります。また、詳細には分かっていないものの魚油がIgA腎症に有効だとする報告例もあります。