症状
咀嚼筋に圧を加えた際の痛みや関節周囲及び動作させた際の痛みが感じられます。このため、開口困難を呈し、動作させる際の雑音なども生じます。一型から五型にまで分類されており、一型では血行不良により痛みが生じます。咀嚼筋の緊張から開口障害を招くもので、主に筋肉の障害となります。二型では滑膜炎及び関節包炎から痛みが発生し、顎関節部の捻挫と似たような状態となります。三型は関節円板が前方にずれてしまう障害で、下顎の動きに伴って関節円板が本来あるべき場所から移動してしまいます。この状態が持続すると関節円板前方転位と言います。四型では骨の周りに新しい骨組織が発生してしまいます。五型は上記の型に該当しないものを指します。
原因
精神的ストレスが要因になることもあると言われていますが、ハッキリとした原因が特定できないこともあります。また、捻挫みたいな持続性の外傷や食いしばったり、歯軋りなどによって発生することもあります。顎関節症(がくかんせつしょう)は女性で且つ二十代の人に多く発症する傾向にあります。最近では、日常的に上下の歯が常に接触していることが関係しているとの指摘がなされています。人間は何かに集中することによって上下の歯を接触させてしまいやすい傾向にあり、それが咀嚼筋の緊張を生み、関節円板の動きを阻害しているのではないかと推測されています。また、顎の筋肉の緊張は肩周囲の筋肉にも影響を及ぼし、結果として肩こりの原因にもなっているとの指摘もされています。
治療法
内視鏡や針などを用いて関節の隙間に挿入して改善を試みたり、マウスピース装着や開口訓練などが行われます。また、緊張を緩める薬や痛みを抑える薬剤なども併用されます。型によって治療方法も違いますが、基本的には原因を特定して除去することが重要となります。特に日常的に上下の歯を接触させている癖がある場合、筋肉の緊張を生んでいると考えられます。この場合、舌が軽く上顎に触れる程度にし、上下の歯の噛み合わせに少し隙間を開けるのが理想的なリラックスした状態だと言われています。