結節性多発動脈炎

症状

結節性多発動脈炎(けっせつせいたはつどうみゃくえん)では大半が腎臓障害である血尿及び蛋白尿を示すことになります。腎臓内の弓状動脈より小葉間動脈にかけて皮質壊死及び腎梗塞を引き起こすケースも認められます。これは血管炎によるものであり、更に髄質系においては乳頭壊死を惹起するケースもあります。初期段階では、眩暈やブドウ膜炎、上強膜炎、角膜炎、難聴、中耳炎といった症状を現し、その後多動脈炎へと移行していきます。全身症状では体重減少や熱の上昇が見られ、それぞれの臓器において炎症、虚血などを示す傾向にあります。

原因

結節性多発動脈炎は壊死性の血管炎であり、小動脈及び細動脈において生じます。発生の際、結節を血管分岐部に生じさせるところに名称も由来します。直接的には血管壁へ免疫複合体が沈着することが原因とも言われていますが、その免疫複合体の抗原はハッキリ分かっていません。また薬剤過敏症に起因するとするものや血管内皮細胞にヘルペスやサイトメガロが感染することが原因になるとも指摘されています。尚、薬剤ではペニシリン、ヘロイン、アンファタミンといったものが該当します。

治療法

早期発見によってなるべく早く治療することで見通しも改善されることになります。抗血小板薬やシクロホスファミド、ステロイドパルス療法を組み合わせると半月体形成性糸球体腎炎及び急性腎不全に対して効果があると考えられています。結節性多発動脈炎そのものはシクロホスファミド及び副腎皮質ステロイドの利用による治療になります。血清コリンエステラーゼ値はシクロホスファミドの利用による副作用を防ぐ意味で重要となっています。