膜性腎症

症状

膜性腎症(まくせいじんしょう)の初期段階では軽い蛋白尿を示すようになります。時間の経過と共に蛋白尿の量も増えていき、多くの場合、ネフローゼ症候群を示すようなります。また浮腫も現れ、ケースによっては重度となります。更に、微量の血尿や軽い高血圧も呈されることがあります。尚、こういった症状が示されても腎機能は維持されているケースが多いとされます。

原因

二次性においてはB型肝炎や悪性腫瘍、薬剤、ループス腎炎といったものが原因となりえます。いずれの場合もこれらに続発するケースが多いとされます。他方、原発性或いは一次性では、原因となる抗原がハッキリと分かっていません。

治療法

ステロイド療法が用いられることもがりますが、これはネフローゼの長期疾患に適用されます。これに対し、保存療法も知られており、減塩及び蛋白摂取制限による食事療法と共に降圧薬、ループ利尿薬などを使うといった方法があります。ステロイドの治療法を行うと、血液の凝固作用を高めてしまうため、中でも腎静脈血栓症を合併しているケースでは、特に抗血小板薬と組み合わせての利用が薦められています。これはステロイドによって肺塞栓を惹起する可能性が指摘されているからです。膜性腎症の見通しはある程度良くなっていて、自己治癒力を高めることで改善した例が多数報告されています。尚、この病気は男性に多くなっていて、膜性腎症で死亡する原因は、腎死の他に悪性腫瘍などがあげられます。