全身性エリテマトーデス

症状

顔の異常な日焼け、レイノー現象、関節痛、湿疹、発熱といった症状が知られていますが、この病気は全身の臓器において色々な支障をもたらします。中枢神経、肺、腎臓、関節、皮膚など多臓器障害を引き起こし間質性腎炎及び壊死性血管炎などを発症することもあります。症状は様々で、時間の経過や治療法によって病型が変化していくことも知られています。現在、急に末期腎不全へ進展して亡くなるケースは少なくなっていますが、慢性的に時間を経て透析を要する末期腎不全となるケースが多いと言われています。

原因

慢性化した炎症性疾患であり、自己免疫疾患でもあります。糸球体障害を全身性エリテマトーデスに起因して引き起こしますがこれをループス腎炎と呼んでいます。

治療法

副腎皮質ステロイドの利用はループス腎炎の診断が確実になった際に行われます。腎生検を実施し、病状に適した治療法が選択されますが、全身性エリテマトーデスは若年層に多いとされています。長期間継続して治療しても末期不全に進展するケースもあり、こういった場合は透析療法か腎移植に移行します。副腎皮質ステロイドによる治療法ではその副作用として大腿骨頭壊死(だいたいこつとうえし)を引き起こします。人工骨を損壊した足の付け根部にあてて修復することは一応可能となっています。その他、アザチオプリン及びシクロホスファミドといった免疫抑制薬が利用されることもあります。シクロホスファミドはエンドキサンパルス療法と言われるもので、糸球体硬化の進行を遅らせる効果があると報告されています。