症状

肌のきめが乾燥によって荒れ、手指に紅斑（こうはん）を引き起こします。手湿疹（てしっしん）の痒みは非常に強く、症状は掻くことで余計に酷くなります。大別すると、手の甲においてジメジメした丸い局面を形成し、貨幣状湿疹型のものを出現させる種類と、指間から手の甲に渡る範囲にかけて発赤し掻痒感を生じるもの、そして指側面において発赤し小形の複数の水ぶくれを示すタイプがあります。手湿疹は物質が接触しておこる刺激によるもので、アレルギーに起因して手や指に招く皮膚炎です。特に女性に多く見られ、主婦湿疹は主婦に見られる場合を言います。多くは秋を迎える頃から冬にかけて見られる傾向にあり、これは空気乾燥によるもので手湿疹の症状は更に悪化します。

原因

主婦湿疹の場合、中性洗剤が原因として考えられます。また、角層間脂質若しくは天然保湿因子の低下によって引き起こされます。これは職業柄、水や洗剤をよく利用したり、家事などで水を頻繁に使うことで生じます。加えて体質的な乾燥肌であったりして、皮膚表層の角層間脂質がもともと少なかったりすることが原因になることもあります。更に、日常生活で接触する植物や化学物質、金属などに対するアレルギー反応によるものもあり、これによって手湿疹を招く恐れがあります。尚、手湿疹はアトピー素因のある女性に多く見られ、水仕事をやめるとすぐに改善する傾向にあります。また、水質汚染も湿疹の原因になっていることがあります。

治療法

水を頻繁に使う場合は、尿素を含むハンドクリーム（尿素軟膏）や保湿成分を含有するワセリンなど塗布します。それによって水分と同時に油分を補給させますが、手湿疹の改善が見られなかったり、耐え難い痒みを感じるケースでは外用のステロイド薬や亜鉛華単軟膏などを用います。尚、足の裏などに紅斑などを認めるケースでは白癬菌症、いわゆる水虫である可能性があります。また紅斑が指の間に認められるケースではカンジダ症も疑われますので、早期に皮膚科へ受診されることが望まれます。その他、日常生活では極力肌への刺激を避けるように努め、流水である水道水などで洗剤を綺麗に除去します。そして乾燥したタオルで水を払拭し、その後ハンドクリームを入念にすりこむようにします。