肝性ポルフィリン症

症状

消化器症状、神経症状、精神症状、循環器症状などを呈します。消化器症状では腹痛、便秘、嘔吐などがあり、神経症状では筋肉痛や四肢麻痺、脱力といったものがあります。精神症状では不眠や意識障害、不安といったものがあり、循環器症状では頻脈や血圧の上昇などがあります。肝性ポルフィリン症(かんせいぽるふぃりんしょう)は早期発見によって呼吸管理を行うことが大切であり、これは発見の遅れから死に至るケースがあるためです。尚、特徴となる点は悪化と寛解を何度も生じさせる中枢神経症状などとなります。

原因

薬物をはじめ、アルコールや感染、妊娠、飢餓といったものが誘因となります。また急性神経精神症状を呈するAIP及びADP、皮膚症状を随伴するHCP、VP、皮膚症状及び慢性肝障害を示すHEP、PCTに分類されます。このうちVP及びAIP並びにHCPにおいては常染色体優性遺伝し、ADPでは常染色体劣性遺伝します。

治療法

発作の際にはブドウ糖を投与します。またヘマチンを肝臓のヘムプール減少に対して適用し、ワゴスチグミンは便秘に対して投与されます。クロルプロマジンは痛みを鎮めるために用いられ、レセルピンは血圧の上昇を抑える目的で利用されます。日常生活の中で糖質及び水分を摂ることを心がけ、ストレス環境下に身を置かないことや睡眠不足などに気をつける必要性があります。本疾患は早期治療によって見通しも良くなりますが、遅れると呼吸麻痺を引き起こし死に至る確率が上昇します。また生活に気をつければ発症を防ぐことが出来るため、発端者には誘因となるものを避けるように説明することが重要となります。尚、鑑別を要するものでは神経筋疾患及び急性腹症などとなります。