高浸透圧非ケトン性状態

症状

熱の上昇を見るケースが多く、高体温であるほど見通しも悪くなると言われています。多くの場合、二型糖尿病保有高齢者が消耗性疾患を合わせて発症し、数週間かけて血糖上昇が悪化します。また、反射異常、麻痺、昏睡状態、精神障害、同側半盲、痙攣、失語症などを見ることもあります。

原因

二型糖尿病を発症している場合、嘔吐や下痢、尿路及び呼吸器といった個所における感染症、脱水、利尿薬及びステロイドといった薬の利用、高カロリー食などが引き金となって生じることが多いと言われています。高浸透圧非ケトン性状態(こうしんとうあつひけとんせいじょうたい)はアシドーシスとケトーシスを随伴せず、極端な脱水並びに高血糖、そして血清浸透圧の上昇を随伴させるものを指しています。糖尿病性ケトアシドーシスとは違い、ケトン体の明らかな上昇は示されません。その理由として推測されているのは、遊離脂肪酸濃度及び拮抗ホルモンが少ない、高浸透圧に起因して脂肪分解が抑えられ、ケトン体の生成を少なくする、水準が高めの内因性インスリンが保有され、脂肪分解を抑えるには不足ないものの、肝臓における糖生成が十分でなく、更に糖の利用促進が末梢において十分でないことがあげられます。

治療法

まず生理食塩水が用いられ、尿量及び血圧に軽快が示されれば、食塩水に移行します。高浸透圧非ケトン性状態では極端に循環血漿量が低下していることから、脱水を軽快させるため、輸液が行われます。その際、腎障害や血管障害が認められる患者や老齢者では過剰な水分投与を引き起こさないよう、中心静脈圧をモニターすることを要します。またインスリン投与、ブドウ糖及びカリウム補給も行います。