ビタミンB1欠乏症

症状

軽ければ温覚若しくは痛覚の低下や知覚鈍麻、特に四肢末端において生じます。そして平衡感覚や深部知覚なども障害されていきます。通常、知覚障害が先行し、次いで運動障害が引き起こされ、筋萎縮や筋力低下を示します。中でもアキレス腱反射が早くから障害されます。衡心脚気では高度の呼吸困難やチアノーゼを示し、脚気心においても呼吸困難、心窩部痛、心悸亢進を見ます。

原因

精製された白米やインスタント食品などを主食にすることによって脚気を引き起こします。これはビタミンB1の含有量が少ないためであり、ビタミンB1欠乏症に由来します。高度の不足をきたすとコルサコフ症候群やウェルニッケ脳症を引き起こす要因になります。いわゆるチアミンがビタミンB1であって、この成分は炭水化物を代謝してエネルギーを生成し、また神経や心臓の働きに関与しています。その他、アルコール依存症などでも欠乏症を招くことがあります。

治療法

ビタミンB1の投与が行われます。その際、内服及び注射によって実施します。ただし、神経症状などでは改善が示されるのに数ヶ月かかる場合があります。またウェルニッケ脳症やコルサコフ症候群においては完全に治癒しないケースもあります。これは不可逆的に脳が損傷を受けているためです。更に本疾患は数年を経て再燃することがあります。