急性副腎不全

症状

突如として倦怠感や疲労感、脱力感、食欲低下、嘔吐、悪心、下痢といった症状を呈し、すぐに治療を行わないと、血圧低下、血糖低下、発熱、脱水症状、さらには意識障害からショック、呼吸困難などを示し、致命的な状態を招きます。

原因

副腎出血が突如として生じて副腎破壊を引き起こしたケースや副腎機能低下を招くアジソン病や先天性副腎過形成などが認められるケースではコルチゾールの分泌が不十分となり、ショック状態を引き起こします。また糖質ステロイド薬の利用を突如として停止した際にも起こりやすくなります。急性副腎不全(きゅうせいふくじんふぜん)は上記のような原因によって副腎皮質ステロイドの分泌が突如として低下する病態であり、治療しなければ生命に関わります。副腎皮質ステロイドではアルドステロンとコルチゾールが重要であり、前者は水及び電解質代謝を制御します。後者は糖質代謝に関与しているため、いずれも突如として不足をきたすと、電解質異常や心拍出量減少、脱水、低血糖などの症状を発症します。尚、健康人では通常コルチゾールが一日二十ミリグラム程度分泌されます。外傷や手術、感染などによってこの分泌量が何倍にも膨らんで体を保護しますが、本疾患のように副腎機能が十分に働かないとショックを引き起こします。

治療法

本疾患が予測されるケースではすぐに副腎皮質ステロイドの投与が行われます。また低血糖が見られれば糖質を投与し、ショックを引き起こしているケースでは電解質輸液が投与されます。更に感染といった元となる病気が見られれば、それを治療します。