ペラグラ

症状

初期段階では不安感や消化不良、疲労感などを示します。ナイアシン不足が継続すると皮膚炎や痴呆、下痢といった症状が出現します。太陽に照射されることにより発赤及び発疹を左右対称に示し、光線過敏症を招きます。粘膜では炎症を引き起こし、これには舌炎や口内炎が該当します。更に抑鬱やせん妄といった精神症状を呈し、腱反射及び知覚低下を招きます。尚、ナイアシンには癌細胞へのアポトーシスが指摘されています。

原因

玉蜀黍を主に食べる区域に見られる症状であり、ニコチン酸若しくはナイアシン不足が原因となります。玉蜀黍にはトリプトファンと共にニコチン酸が少なく、つまりニコチン酸とトリプトファンの両方が不足することでペラグラ発症の原因となります。また、アルコール中毒やビタミンB2、ビタミンB6、鉄不足、ハートナップ病などによっても発症率が高まります。診断ではニコチン酸アミド、ニコチン酸の血中濃度の減少、N’-メチル-6-ピリドン-3-カルボキシアミド、N’-メチルニコチン酸アミドの尿中含有量の減少をもとに判断され、確定します。尚、体内においてナイアシンに変化するのがトリプトファンであり、そのため本疾患を発症する場合は、トリプトファンも不足していることになります。また、玉蜀黍に含有されているナイアシンはそのままでは腸内で吸収することができないため、アルカリ処理を要します。

治療法

ナイアシンアミドを一日三回程度で大量投与します。また別のビタミンB群も合わせて摂取することが推奨されていて、これは合併症として他の欠乏症を招きやすいことに由来します。