ケロイド

症状

扁平から半球状で盛り上がり、次第に側方を侵します。好発箇所は下床において骨若しくは軟骨が存在する部分で、顔や背、上腕、胸に見られます。色は鮮やかな紅色を呈することもあれば褐色調を示すこともあります。ハッキリとした境目を示し、時に真ん中部分が扁平化して退色することもあります。側圧痛を生じることがありますが、圧痛はあまり感じません。しばしば痒みを伴います。肥厚性瘢痕では側圧痛を認めず、盛り上がりや紅色の色調変化をあまり認めません。表皮のすぐ下部にまで膠原線維増殖が見られる一方、外傷した範囲を上回って広がらないところがケロイド(keloid)との相違です。本疾患では最初の外傷箇所を越えて範囲を広げていきます。尚、本症は特発性ケロイドと瘢痕ケロイドに分類されますが、前者は明確な原因がなく発症するもので、後者は外傷や熱傷など顕著な誘因が認められます。

原因

ケロイドは外傷や手術後に続いて発現する結合組織の増生が原因です。年齢や発生箇所など個々のケロイド素因も認められますが、何がしかの外傷が原因ではないかと指摘されています。

治療法

外用でステロイドを用いたり、局部注射することもあります。また切除に加えて、形成術や放射線照射などが採用されることもあります。その他、内用でリザベンといったトラニラストを投与したり、圧迫包帯を用いたりします。本疾患はそのまま切除することで、現状以上に拡大したケロイドを再燃させるリスクがあるため、慎重を要します。