肝結核

症状

黄疸が出現するケースは少なく、肝機能障害と共に肝腫大などを出現させます。またガンマGTP及びALPの上昇が見られます。大半の栗粒結核において肝障害を示し、少ないケースで高度の肝不全をきたすこともあります。黄疸、腹痛、腹水、そして感染症に関わる全身症状が高度に出現します。その他、抗結核薬の利用で薬剤性肝炎を招くこともあり、こうなると一般的な肝炎症状を示します。

原因

結核菌の感染が肝結核を引き起こす原因であり、この感染は肺以外に肝臓を含め、腸や副腎、腎臓など多くの臓器に認められます。全身の各臓器において高度の障害をきたすものを栗粒結核と言い、血液を介して結核菌を全身に広めます。肉芽腫性病変を肝臓内部に示し、ラングハンス巨細胞、リンパ球浸潤及び類上皮細胞が現れます。尚、結核菌ではその九割が肺結核となります。その残りが肝結核(かんけっかく)を含め多臓器において生じます。

治療法

化学療法が基本となりますが、栗粒結核ではこれとともにステロイドが組み合わせて投与されることもあります。該当する薬剤はイソニアジド、エタンブトール、リファピシンといったもので、抗結核薬の投与になりますが、これらのほかにストレプトマイシンを組み合わせて投与されることもあります。近年、肝結核がエイズに合併した症例が多くなっています。