肝嚢胞

症状

特にこれといったものを示すことは無く、たまたま見つかるケースが多いとされます。しかし巨大化したのう胞によって腹部膨満感及び腹痛といった症状を示すことがあります。更に胆管炎を招いたり黄疸を示すこともありますが、これらは胆管圧迫に起因します。緩やかな発育が認められ、急性症状は捻転や破裂、のう胞内出血、感染を招くことによって出現することがあります。尚、これらの症状は先天性の肝嚢胞(かんのうほう)となります。

原因

寄生虫性、非寄生虫性、先天性に大別され、非寄生虫性には腫瘍性、外傷性、炎症性、医原性によるものがあります。更に腫瘍性は悪性のものと良性のものがあります。先天性は実質性と管腔性に分類され、実質性は単発性と多発性に分けられます。更に単発性には単房性と多房性があり、多発性には全身型と限局型があります。管腔性は肝内胆管における限局性拡張と多発性拡張があります。尚、先天性に起因するのう胞は、胆管同士の関連が十分でなく、これによってのう胞状に肥大すると言われています。これは胆管形成の不全に由来します。

治療法

穿刺による排出が考えられますが、症状を示さないケースでは特に治療は実施されません。また嚢胞と胆道系の関連が遮られているケースでは再発を防ぐ目的で純エタノール若しくは塩酸ミノサイクリンが用いられます。改善が見られないケースでは切除術や腹腔鏡下においてのう胞の切開術が実施されます。