クリグラーナジャー症候群

症状

一型の多くは一歳に達するまでに核黄疸を招いて死に至ります。一部の症例では治療を行うことによって神経症状が思春期に至るまで現れず、成長していくこともあります。誕生後、数日以内に高間接ビリルビン血症、しかも重度のものが生じます。二型では大抵正常に成長していきます。日常生活に支障をきたすことはありませんが、少ないケースで核黄疸若しくは良く似た神経症状を示すこともあります。誕生後凡そ一週間程度で、高間接ビリルビン血症を招きます。

原因

一型と二型がクリグラーナジャー症候群(くりぐらーなじゃーしょうこうぐん)にあります。前者は肝細胞におけるUGT1A1活性欠損を示す常染色体劣性遺伝によるものです。高間接ビリルビン血症は重度であり、家族性となります。治療を行わないと核黄疸を引き起こして死に至ります。後者は肝細胞におけるUGT1A1活性の顕著な低下を呈するものであり、多くが常染色体劣性遺伝を原因とします。通常の肝機能検査はビリルビン値を除くと適正範囲内であり、溶血は見られず、見通しも良いものとなります。核黄疸のリスクは低いとされますが、新生児期においては中等度若しくはそれ以上の黄疸が呈されます。

治療法

一型は肝移植に有効性が認められています。また交換輸血及び光線療法などが有用とされています。放置すると見通しの悪い疾患です。二型は通常見通しも良好のため、特別な治療は行いません。ただし核黄疸のリスクが推測される新生児に対しては交換輸血若しくは光線療法などが行われます。またフェノバルビタールと呼ばれる酵素誘導薬の投与による治療方法がとられることもあります。