症状
進行性の黄疸が新生児期に出現し、これと共に灰白色便や肝腫及び脾腫を示します。脂溶性ビタミン欠乏症を引き起こすことがあり、これは脂肪吸収が閉塞性黄疸に起因して阻害されるためです。尚、ここで言う新生児期は誕生後二週間から三週間程度の期間を指しています。
原因
胎生期において肝外胆管損傷を血管障害及びウイルス感染より引き起こされるとする説が存在しますが、通常、胆管形成異常が胎生期に生じることが原因と言われています。しかし詳細には分かっておらず、肝内胆管閉塞も二次性の肝外胆管閉塞変化によるものと推測されています。先天性胆道閉鎖症(せんてんせいたんどうへいさしょう)は部分的ないし全域に肝内胆管及び肝外胆管閉塞をきたす疾患であり、これによって胆汁分泌を行えない病状を言います。新生児黄疸に続発したり、一旦消えてから再度現れる持続する黄疸が特徴であり、これと共に灰白色便が主軸の症状を示します。また多臓器において先天に起因する奇形を合わせて発症するケースが多いとされます。
治療法
肝線維化を急激に進行させるため、誕生後三ヶ月以内に手術を行うことが推奨されています。本疾患では肝移植か胆汁路を手術によって作るしか根本的な治療方法は存在していません。また吻合ができない場合は肝門部腸吻合術が適用され、吻合ができる場合は胆管腸吻合術を実施します。黄疸は術終了後に大半の症例で消えますが、中には肝硬変を引き起こす症例も見られます。