先天性胆道拡張症

症状

一型、二型、三型などに分類され、一型では黄疸や腹痛、腫瘤に触れたりしますが、これら全てが出現するわけではありません。また成人と小児では異なり、前者では腹痛が非常に多いとされます。一方後者では黄疸及び腫瘤触知となります。そして二型は圧排症状を示し、これは嚢腫に起因します。三型では十二指腸における通過障害や黄疸、また痛みを間欠的に生じます。尚、一型は総胆管における嚢腫状拡張を言い、二型は憩室状に総胆管の一部が拡張したものを指します。三型は十二指腸壁内胆管において嚢胞状に胆管が拡張し、十二指腸内腔へ突き出したものを言います。

原因

膵胆管合流異常とこれに随伴する胆肝内における膵液逆流を原因とする説があるものの、膵胆管合流異常に胆道拡張症を合併しない症例もあります。また胎生期の胆管上皮に関して上部胆管増殖亢進を示す一方で下部胆管増殖減少を示す不均衡が胆管拡張及び胆管狭窄を発生させるとする説があります。これらは仮説の領域を逸さず、様々な原因が複合的に絡んでいると考えられます。先天性胆道拡張症(せんてんせいたんどうかくちょうしょう)は、胆管において局所的に不均一な拡張を示し、それと共に結石、炎症、腫瘍を原因とする拡張を除いたものを言います。のう胞状、円筒状、憩室状、紡錘状といった様々な拡張形態を示し、その発生部位も胆管全域となります。

治療法

一型は手術適応となります。二型は合併症をきたした際に切除術を実施します。三型は内視鏡的乳頭切開術、外科的乳頭形成術、嚢腫切除術などが胆管炎及び膵炎を招いた際に適用されます。