膵胆管合流異常

症状

胆管炎、先天性胆道拡張症、胆道癌、急性膵炎など合併する病変に起因する黄疸や発熱、腹痛、体重低下、腫瘤触知などが出現します。いずれも合流異常独特の症状ではありません。確定診断はERCPにて行われますが、近年超音波内視鏡検査やMRCPにて実施されることもあります。

原因

十二指腸乳頭括約筋の働きが合流部に達することができず、このため膵液及び胆汁間において逆流を引き起こし、様々な病変を膵臓や胆道に招きます。つまり、胆道感染、胆童顔、胆道上皮化生、胆石形成などが該当します。膵胆管合流異常(すいたんかんごうりゅういじょう)は先天的に十二指腸壁外において膵管及び胆管が合流する奇形のことを指しています。紡錘状拡張、非拡張、嚢腫状拡張に区分した形式が多く利用され、これは胆外胆管の拡張形態を基準にした分類方法となります。一方、膵管合流型と胆管合流型に区分したものもあり、こちらは胆道造影を基準にした合流形式から分類されます。

治療法

胆管拡張を伴わない合流異常では手術適応となります。症状が出現していても、していなくても手術は実施され、その際、分流手術は実施されず、腹腔鏡的胆嚢摘出術に限定されるケースが多くなっています。見通しは胆嚢癌合併の存在、若しくは癌発展度に影響を受けます。一方、膵胆管合流異常に先天性胆道拡張症が合併した場合、先天性胆道拡張症の手術に則ります。