総胆管胆石症

症状

胆管炎に起因する上腹部痛の他、熱の上昇や黄疸などが出現します。しかし一割程度に症状を示さないケースも認められ、これは七十歳前後の高齢者に多く見られる疾患であることに由来するものと考えられています。また胆管炎が長引くと肝膿瘍を招き、熱の上昇が見られます。この発熱は抗生物質に有効性が認められません。その他、急性閉塞性化膿性胆管炎を合わせて発症すると意識障害若しくはショック状態を引き起こすとされます。これはエンドトキシンが感染した胆汁より血液中へ逆戻りすることに由来します。

原因

胆嚢胆石症に比すると胆汁内における細菌陽性率は著明に上昇しています。総胆管胆石症(そうたんかんたんせきしょう)とは胆石が肝外胆管に見られるものを言い、発症率は高齢者に多くなっています。また合併症として胆管炎を発生させる確率も高くなっています。

治療法

経乳頭的内視鏡治療が行われます。結石を乳頭括約筋切開によって取り除きますが、乳頭部をバルーンで広げてから結石を取り除く場合もあります。最近ではバルーンを用いた内視鏡治療が採用される傾向にあります。手術が実施されるケースは少なく、多くは内視鏡治療となります。一部胆嚢胆石を随伴した場合において胆嚢摘出術と共に実施されることもありますが、普通、胆嚢摘出は胆石を内視鏡治療によって取り除いてから実施されます。