血友病のふるいわけをする上で非常に大切な検査(APTT)です。部分トロンボプラスチンを活性化させるため、カルシウム、カオリン、リン脂質を加え、血液凝固に要する時間を判定する検査であり、活性化部分トロンボプラスチン時間(かっせいかぶぶんとろんぼぷらすちんじかん)と言います。白血球及び血小板に含有されているトロンボプラスチンには血液を凝固させる作用があります。血友病のケースではトロンボプラスチンの一部の作用がよくない為に血液凝固が起こりにくくなっています。具体的には血液凝固因子である第八因子および第九因子が欠損しているためで、これは遺伝的なものと考えられています。
血液凝固因子は全部で十二種類あり、当該検査では第Ⅷ因子及び第Ⅸ因子の有無を確認します。血友病はこれらの因子が欠乏しているために起こる疾患ですが、この病気以外でも類似した疾患を見つけるのに役立ちます。このため、スクリーニングとして重要な位置づけになっています。
正常であると30秒前後で血液凝固が起こります。20秒から45秒程度が基準値とされており、この値より十秒以上長くなると異常と判定されます。血液凝固因子の多くは肝臓で生成されていることから、肝細胞障害を引き起こしている場合、いくつかの因子が異常をきたし、凝固するまでの時間が長くなることがあります。他にも血液透析を腎不全のために行っていたり、重症感染症、ビタミンK欠乏症、血管内凝固異常症などによっても基準値を逸脱することがあります。
尚、血友病が推測される場合、加えて二次検査が行われます。また、男子にのみ発症する遺伝病であることから家族病歴を調べることもあります。