BSP/ICG/肝機能負荷/色素排泄試験

肝臓には解毒作用がありますが、肝機能に異常が無ければ、異物を中和し血中からこれを除去します。当該検査では色素用いて、これを静脈から注入します。色素も異物であるため、肝臓は一定時間で中和し血中から取り除きますが、肝機能に障害があるとこの機能がうまく作用せず、血中に残存させてしまいます。BSPとICGの検査は肝機能負荷試験であり、色素排泄試験でもあります。当該検査では血中に残ってしまった色素の比率を調べます。またブロームサルファレインを略してBSP、インドシアニングリーンを略してICGと呼んでいます。前者はアルカリ性色素であり、色は赤紫をしています。後者の色素の色は暗緑をしています。主に普及しているのはICGとされますが、これはBSPが副作用でショック死などを招くリスクがあるためです。ICGは血中からその多くが肝細胞に取り込まれ、それが胆汁と共に排泄されますが、BSPでは精度が高い分、肝臓以外の臓器でも取り込まれてしまいます。

基準とされるのはICGで残った量が十五分後で10パーセント以下、BSPで四十五分後で5パーセントから2パーセント以下となります。

当該検査では血中の残留量が高いほど肝障害の悪化が推測されます。これといった症状が示されなくても、見えない部分に肝疾患が存在するケースでは異常値を呈します。異常と判定された場合、体質性黄疸や肝炎、胆汁流出障害、肝癌、肝硬変などが疑われます。この場合、投薬治療と共に食事療法が行われ、安静を維持することが大切となります。