合成した断層画像を用いて体の中を調べるもので、多くの疾患の診断に用いられています。コンピュータ断層撮影のことで、X線を輪切りにするように体の横断面にあてます。こうして得られた情報をもとに、コンピュータで処理し、断層画像を作ります。かつては管球(かんきゅう)を一回転させて少しずつずらしながら撮影を行っていましたが、近年ではヘリカルCTやマルチスライスCTと呼ばれる装置が登場しています。前者は螺旋CTのことで、螺旋状に回転させながら撮影するものです。このため、撮影を連続で行えるようになっており、従来のようにずらして停止しながら撮影するという無駄がなくなりました。
検査は数十分程度で終了しますが、場合によっては造影剤を点滴を用いて静脈から注入することもあります。また患者はベッドへ横になったまま行われます。円筒状をしたガントリーに検査箇所を動かし、そこでX線照射を行います。
X線CT検査(えっくすせんしーてぃーけんさ)はコンピュータ断層撮影のことを指していて、くも膜下出血、脳出血、動脈瘤、脳梗塞、リンパ腫、肝臓癌、腎臓癌、肺癌、頭部外傷などが確認できます。画像化されるのは様々な臓器のため、血管の細部のほか、結石や腫瘍なども詳細に分かります。この検査で異常が見つかった場合、内視鏡検査や超音波検査も引き続き併せて行われます。中でも頭部に異常があれば、緊急措置を要します。その他、癌が予想されるケースでは、生検のほか、腫瘍マーカー検査や細胞診といったものも実施することになります。