頭蓋内や眼に関わる疾患を診断する検査であり、他にも糖尿病に起因する血管病変や動脈硬化などを調べます。視神経乳頭や脈絡膜があるところで、網膜や眼の中の血管があるところを眼底(がんてい)と言います。この場所はそのまま観察できる人間の体の唯一の部分であり、眼に限らず、体全体の異常を発見するのにも有用です。眼底の検査では、緑内障(りょくないしょう)や硬膜下出血(こうまくかしゅっけつ)、くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)、高血圧症、網膜の病気、脳腫瘍(のうしゅよう)、動脈硬化症(どうみゃくこうかしょう)、糖尿病における合併症の存在などが確認できます。検査を実施する際には、緑内障を患っている人を除いて散瞳薬(さんどうやく)が点眼されます。結果はすぐに出ます。ただし、しばらくの間まぶしく感じます。これは散瞳薬が原因となっており、運転などリスクを伴う動作は控えます。診断基準は0度から五度ぐらいまで分けられますが、異常とされないのは0度です。
眼球内圧の変化を調べる眼圧検査は眼球の強度を測るものです。眼球内圧は房水と呼ばれる液体によって維持されており、これを眼圧(がんあつ)と言います。検査では角膜接触法と角膜非接触法があり、前者は表面麻酔薬を点眼するもので、眼圧計を角膜に触れさせます。後者は角膜に触れささない方法ですが、いずれも痛みを感じることはありません。ただし、測定の際に音若しくは振動を与えます。異常とされる数値は21mmHg以下で、緑内障の診断には必要です。また、放置すると失明に至ることもあります。