ヘマトクリット

ある一定の血液内に赤血球がどのぐらい含有されているのかを調べるのがヘマトクリット検査です。血漿と固形成分に分類するため、遠心分離機を用いますが、名称の由来は血液であるヘマトと分離を意味するクリットからきています。作業は容易であり、大出血を認める場合に最初に行われる検査でもあります。輸血はその結果から判定されます。

正常とされるのは女性で34から45パーセントぐらいで、男性では38から50パーセント程度となります。ただしこの基準は厳格なものではなく、多少のずれは問題ないと言われています。これはヘモグロビンと関与しているためで、朝と夜とでは数値も変動します。また、季節によっても変動し、妊娠者や高齢者では低くなります。その他、幼児では高値を示す傾向にあります。

当該検査で数値が低いと判定された場合、貧血が考えられます。これは、薄い血液と判定されるためで、反対に高値であれば血管内を詰まらせます。脱水症や多血症が疑われ、血中はドロドロ状態になっています。貧血の分類をするには、検査としてヘモグロビンや赤血球数も併せて行います。これらをヘマトクリット(ht)と照らし合わせて、大体の見当がつきます。検査結果から多血症と判断されたケースでは更に詳細な検査をすることが推奨されます。これは慢性的な心疾患及び呼吸器疾患なども併発している可能性が疑われるためです。貧血と判断された場合、いくつかの種類があるため、それぞれ二次検査を行ったり、治療方針を個別に検討したりします。