腹部超音波

高い直進性と強く一定方向に放射される特徴があり、人間の耳では聞こえない程度のものが超音波となります。これを体に向かって発信させると、反射波であるエコーが返ってきます。またそれを受診して画像化処理を加えて診断します。これを超音波検査と言います。当該検査はとても容易に実施することができ、安全性も高くなっています。また、腹部内臓器である腎臓や膵臓といったものの病変部を診断するのが腹部超音波検査(ふくぶちょうおんぱけんさ)若しくは腹部エコーと呼ばれているものです。

組織に超音波が当たった場合、ひずみがエコーに出現します。その際、組織の性質の異なりによって濃度の違う画像が現れます。臓器が動作している場合、それが直接画像として捉えられ、結石や腫瘍が存在する場合はその部分に他とは異なる色が浮かび上がります。当該検査は胎児の診察にも適用されており、放射線被爆を生じるX線のように危険性はありません。

検査を行う前日の夜九時からは絶食となります。ただし、水分は例外となります。また、前日に消泡剤を使うこともありますが、これはガス及び便の蓄積によって画像きちんと示されないためであって、便秘気味の人が対象となります。尚、婦人科検査では超音波検査を実施する際、尿を膀胱に蓄積させて実施することがあります。

異常とされた場合、肝硬変、胆石、胆嚢癌、膵臓癌、腎癌、肝臓癌、腹部大動脈瘤、胆石、慢性膵炎、胆嚢ポリープなどが考えられます。この場合、腫瘍マーカー検査や詳細な血液検査、細胞診、生検によって細胞の一部を採取したり、腹部X線CTなどが合わせて実施されることもあります。