腹腔鏡

病状を判定し、治療方針や肝疾患の診断を確定するのに有用な検査です。血液検査のみで見つからない詳細な肝臓表層の状態を確認できます。中でも、急性から慢性に変化する肝炎が肝硬変に移っていく過程を診断するのが容易です。腹腔鏡検査(ふくくうきょうけんさ)は、医師が自分の目で腹腔内臓器を観察し、どんな病気なのかを確定診断するものです。腹腔内臓器とは肝臓や胆嚢、腸などであり、ここに腹部からレンズや様々な器具を装備した筒状の細長い管を挿入します。このため、開腹手術を回避し、癌や胆石、胆嚢などの摘出手術をこの器具で行うことができます。開腹しない分、患者の体にあまり負担をかけないで済みます。

検査数日前から止血剤が投与され、抗生物質のアレルギーテストが行われます。剃毛と血液検査は前日に行います。当日は水を飲むことは可能ですが、絶食となります。また浣腸も行いますが、便秘の場合、下剤を前日に服用します。検査では筒を挿入する際に痛みをやや与えますが、局所麻酔も行われます。検査後一日は歩行不能になるため、排泄は床についたままします。また抗生物質が投与され、数日経過すると、縫合した部分の抜糸が実施されます。尚、出血傾向や呼吸障害、心不全、急性腹膜炎などの疾患がある場合は、当該検査を行うことができません。

異常となった場合、自己免疫性疾患や癌性腹膜炎、子宮外妊娠、肝炎、結核性腹膜炎、肝硬変、サルコイドーシス、そして卵管及び卵巣疾患などが考えられます。組織検査の結果はおよそ一週間程度の時間を要しますが、肉眼での検査はその場で結果がでます。