下部消化管X線造影

大腸疾患の診断に必要なもので、バリウムと言われている造影剤を結腸及び直腸に注入して行います。早期の大腸癌などはすぐに治療すれば、多くが経過良好になると言われています。バリウムを注入する際は、潤滑剤を排泄口周囲に塗布し、細い管で形成されるカテーテルを挿入します。この器具の先には、風船状のバルーンと呼ばれるものがついておりますが、これは排泄口から抜け出ないようにするためのものです。これを直腸内部で膨張させて安定させます。X線造影モニターで確認しながらバリウムを満たすために、直腸からS状結腸、そして下行結腸から横行結腸、更には上行結腸から盲腸へとさかのぼります。X線撮影する際には、体の位置を動かしたり、透視台の位置を変えたりし、およそ数十分で終了します。

下部消化管X線造影(かぶしょうかかんえっくすせんぞうえい)は注腸X線造影とも呼ばれており、この検査では大腸憩室や大腸癌、大腸結核、大腸狭窄、クローン病、大腸ポリープ、虚血性大腸炎、潰瘍性大腸炎、などが確認できます。検査結果は、大体のことはすぐに分かりますが、詳細は後日になります。この検査で異常が認められると、詳細に調べるために内視鏡が用いられます。その際、腫瘍マーカーや生検を行いますので、内視鏡を用いて細胞を採取したります。尚、バリウムを注入する際には不快感を生じます。ただし、潤滑剤の中には麻酔薬も含有されているため、痛みを感じることはありません。空気の注入では腹部の張りから膨満感を与えることもあります。