下部消化管内視鏡

大腸全域を観察することが可能で直腸から盲腸に至る範囲を調べます。下部消化管内視鏡検査(かぶしょうかかんないしきょうけんさ)では、電子スコープ若しくはファイバースコープを用いるため、直接大腸粘膜を調べたり、撮影したりして診断されます。当該検査では炎症や癌、ポリープなどを簡単に見つけることができ、腸管に生じた狭窄や変形なども確認できます。近年、大腸に関わる病気が増えている傾向にあり、この検査は無くてはならないものとなっています。検査目的は大腸疾患の診断であり、他にも粘膜切除術やポリペクトミーといった内視鏡的治療を行ったり、生検を実施するため大腸細胞の一部を採取したりします。またポリープや潰瘍などが悪性なのか、良性なのかを確認したり、注腸X線検査で(ちゅうちょうえっくすせんけんさ)において診断が下せないケースで適用されます。

内視鏡は上部消化管内視鏡検査のそれよりやや大きい管が用いられます。これを内容物が排泄される側から挿入し、直接異常がある場所を観察し、撮影を実施します。一般には三十分程度で終了しますが、これに加えて治療が重なると時間も必要となります。

異常と判断された場合、感染性大腸炎、ポリープ、癌、クローン病、潰瘍性大腸炎などが考えられます。病変部が特定された場合、時同じくして生検を実施するため、細胞の一部を採取します。内視鏡検査では同時に治療も行うことができるため、ポリープの大きさが一定範囲以内であれば、そのまま切除されます。