血液像

白血球は好中球(こうちゅうきゅう)、好塩基球(こうえんききゅう)、リンパ球、好酸球(こうさんきゅう)、単球の五つに分類されています。いずれも形態は異なり、白血球はこれらを総称したものです。また作用もそれぞれ特有であり、疾患によって増減する種類も違ってきます。そのため増減数を白血球の種類によって調べることで診断の材料となります。血液像(けつえきぞう)はこのことを意味していて白血球分画(はっけっきゅうぶんかく)と呼ばれています。

基準値は白血球100個をもとにして、それぞれの種類の比率をパーセントで表したものです。リンパ球が増加した場合、結核や百日咳、バセドウ病、流行性耳下腺炎が疑われます。反対に減少した場合、癌や結核性リンパ節炎、白血病、悪性リンパ腫などが疑われます。好中球が増加した場合、肺炎や脳炎、急性胃腸炎、心筋梗塞、扁桃炎、腎不全、骨髄炎、白血病、胆嚢炎などが考えられます。反対に減少した場合、急性白血病や結核、チフス、再生不良性貧血、骨髄線維症、敗血症、重症肺炎などが考えられます。単球が増加したケースではしょう紅熱や麻疹、水痘などが疑われます。好塩基球が増加した場合、粘液水腫や慢性白血病、潰瘍性大腸炎、蕁麻疹、血小板血症、多血症などが考えられます。

好中球は急性炎症や感染などに対して素早く反応を示します。そのため、外傷を負ったり、心筋梗塞、感染症を招くとすぐに増加します。リンパ球は主にウイルス感染への反応を示しますが、これは免疫機能に関与しているためです。慢性骨髄性白血病で増加を示す好塩基球は白血球の中でその数が一番少なくなっています。単球は異物や細菌を自身へ吸収する作用を持っていますが、主に好中球がきちんと対処できずに残してしまったものを処理してくれます。