寄生虫卵

かつては衛生状態が悪かったことから、その感染率も非常に高かったのですが、現在では衛生管理も行き届いてるため、非常に低くなっています。ただ、衛生管理の悪い海外などへの旅行や、ペット、野菜といったものから感染することもあります。感染した場合、臓器内で寄生虫は増殖します。その一部が便中に含まれて排泄されます。

便検査とセロテープ検査法があり、前者は顕微鏡で観察するため、便の一部を採取するものです。これによって直接幼虫の数や寄生虫卵(きせいちゅうらん)の数を調べます。集卵法(しゅうらんほう)及び直接塗沫法(ちょくせつとまつほう)と言われています。後者は人間が寝ている際に排泄口周囲に出てくるギョウ虫の検査であり、これによって産卵された卵を確認するものです。このぎょう虫は寝ている時に産卵するのが特徴です。

正常とされるのは陰性(-)です。つまり、卵も便中の寄生虫も認められなければ正常とされます。しかし血液検査で寄生虫が発見されることもあり、上記の検査が確実とも言えません。また、寄生虫及び卵が発見されなくても、これらの一部の組織が見つかれば陽性(+)となります。

異常と判断された場合、寄生虫が消化管内に存在していることが疑われます。寄生虫には条虫、ぎょう虫、鞭虫、回虫などがあり、これらを消滅させるためには駆虫剤が使われます。早期に見つかれば、その多くは治癒します。ただ、ケースによっては外科手術も必要となります。