血管の状態を詳細に立体画像にした検査であり、磁気共鳴の現象を利用しています。水素原子核から出てきた信号をもとに、画像化するもので、MRIの装置を用います。MRアンギオグラフィーのことを略してMRA検査(えむあーるえーけんさ)或いはMR血管撮影、若しくは磁気共鳴血管造影などと呼んでおり、MRとは磁気共鳴法のことを指しています。近年、飛躍的に進歩したコンピュータグラフィックによって、三次元画像から方向を変化させながら見ることができるようになっています。
体内に存在する水素原子核は止まっているものと動作しているものがあります。コンピュータでこの動作している方のみを集めて処理すると、血管内を流れて動く血流のみが画像として描き出されます。このため、造影剤は用いません。三次元造影MR血管撮影では造影剤を用いますが、こちらは解剖像もより高度なものとなります。検査では痛みを感じることはないものの、音がうるさくなっています。必要とされる時間はおよそ数十分で、頭部を対象に検査を行う場合、食事の制限もほぼありません。尚、当該検査は磁気を用いるため、身につけている金属製のものは取り外します。また、検査中は動かないようにすることも大切です。
異常が見つかった場合、脳梗塞や脳動脈瘤、くも膜下出血、脳出血、そして血管の狭窄や閉塞といった脳動静脈奇形などが考えられます。この場合、確定診断するため、頭部血管造影や超音波検査など他の画像検査も併用します。