甲状腺中毒性ミオパチー

症状

甲状腺中毒性ミオパチー(こうじょうせんちゅうどくせいみおぱちー)では脱力感や疲労感、筋肉部の痙攣、筋肉痛といったものが示されます。また体重減少や嚥下及び構音障害、鼻声、複視、眼球突出などが示されることもあります。筋萎縮、筋力低下は肩甲帯及び腰帯から見られます。

原因

筋障害が甲状腺ホルモンの異常分泌、或はそれらと関わる代謝物質に起因して骨格筋へ刺激を与えることなどが原因となって引き起こされると言われています。重症筋無力症や周期性四肢麻痺などが複合的に関与する病気であり、単体の病気ではないとされます。また少ないケースで、急激な脱力及び筋萎縮などが併発することもあります。軽症の筋病変であることが多く、悪化すると間質における脂肪変性や筋線維直径の不揃いなどが示されます。

治療法

甲状腺機能を適正に維持することを目的に抗甲状腺薬の投与による治療方法が行われます。本症では血清CKは適正範囲ながらも、クレアチン尿が明らかに示されます。治療を実施することによって血清CKが高くなることもありますが、これは甲状腺機能低下症を引き起こしたためで注意を要します。適切な治療法を行うことで甲状腺の働きは適正範囲に治まり、その結果クレアチン尿はなくなります。尚、低カリウム血性周期性四肢麻痺や筋ジストロフィー、多発性筋炎、運動ニューロン疾患、重症筋無力症、イートンランバート症候群などとの識別が必要です。