毛包性角化症

症状

角化性丘疹が沢山発生するもので、痂皮は肥厚した数ミリの大きさになり、暗褐色をしていてこれを覆っています。間擦部及び脂漏部にて多発し、特に腋窩、乳房下、鼠径、腹、頸、胸骨部を中心とします。また、丘疹の融合が間擦部に見られ、これは発汗が多いためで、乳頭状からコンジローム様に増えていきます。浸潤に起因して悪臭も放ちます。更に手掌の点状陥凹、爪甲変化、粘膜疹、疣贅状角化を随伴させます。その他、癲癇や精神遅滞といった神経症状やウイルス及び細菌感染といった二次性の疾患を招くことがあります。尚、疣贅状角化は足背、手背、掌蹠に見られます。

原因

ATP2A2遺伝子変異が毛包性角化症(もうほうせいかくかしょう)発症の原因となります。この遺伝子は、ケラチノサイトの細胞質内カルシウムの度合いをコントロールするポンプをコードする働きがあります。表皮細胞分化或は細胞間接着などをコントロールするのがカルシウムとなります。角化が高まりデスモソームケラチン線維複合体形成が正常でなくなるため、角化障害及び棘融解が招かれます。尚、本疾患はDarier病とも呼ばれます。

治療法

太陽の光を避け、二次感染を予防します。また、尿素軟膏が用いられたり、ビタミンA誘導体であるエトレチナートの内服による投与も一過性の効果を示します。尚、脂漏性皮膚炎、ヘイリーヘイリー病、黒色表皮腫といった疾患との鑑別を要します。