境界性人格障害

症状

常時、見捨てられ不安を保持し、特に自分にとって重要と認識している人に対して持つようになります。見捨てられないために極めて異常に努力します。また自分に対して非常に不安定であり、自己像を確立させることができません。そのため、不安定である上に矛盾した自己像を呈するようになります。更に、同一人物へは過大評価と過小評価を行う傾向があります。つまり、ちょっとしたことで非常にすばらしい人と評価する一方で、ちょっとしたことを引き金に最悪な人間と評価したりします。落差が異常に大きいため、良好な人間関係を築きにくくなります。その他、衝動性では自己破壊に進む傾向にあり、無謀な行動が目立つようになります。

原因

基本的に平均的な思考や行動をとれないことが原因であり、境界性人格障害(きょうかいせいじんかくしょうがい)は近年、注目されるようになりました。男性より女性に多く発症します。もともとは精神病と神経症の境界に位置するものと考えられていましたが、現在では特有の病名として用いられています。思春期、青年期に発症する傾向にあり、周囲の人間は振り回されてしまうこともあります。

治療法

精神療法を主軸に薬物療法が併用されます。治療は長期間を要し、困難となりますが、治療する者と本人の信頼関係の構築が重要になってきます。患者は対人関係に不安定であるため、治療は難しいとされています。精神分析療法や支持的な精神療法などが適用され、薬物療法では抗鬱薬や抗癲癇薬がサポート的に用いられます。