解離性同一性障害

症状

通常の生活に影響を与えることはあまり見られませんが、ケースによっては生命に影響を及ぼすこともあります。しかし、大抵は生産的且つ創造的な生活を過ごすと言われています。支障が出るケースでは、何も行えなくなったり、自傷行為によって自分を切りつけたりします。時に自身の生命を脅かそうとする場合も見られます。人格が複数存在するわけですが、その内の特定人格は自身の情報を理解していると言われています。複数存在する人格は相互の存在を認識しているとも言われており、これらの人格に相互作用があるのではないかとも考えられています。解離性同一性障害(かいりせいどういつせいしょうがい)では、自身の中にある人格が話しかけてきます。そのため、会話が聞こえたり、意見が聞こえたり、混乱を生じることもあります。その他、現実感を喪失したり、離人症など多彩な症状を呈することがあります。

原因

複数の自己同一性が交互に出現するものを指していて、いわゆる多重人格障害のことを言います。考えられる要因は複数見られ、これらが互いに関係して発症するのではないかと言われています。これには、精神発達が正常でなかったり、過度なストレス、小児期において十分な養育を受けなかったことなどが該当します。

治療法

心理療法によって幾つか存在する人格を統合させます。しかし、本疾患の治療には根気を要し、時間もかかります。これはトラウマが呼び戻され、幾度も感情が危険な領域に達するためです。また、幾つかの人格が存在するため、これらの人格による行動などもにも影響されます。尚、薬物療法は抑鬱状態や不安などを改善させる効果はありますが、解離性同一性障害そのものに働きかけることはありません。