血栓形成傾向

症状

遺伝性のものでは深部静脈血栓症から脚部の腫れや、更に脚の深部静脈に発生した血栓が血液を介して肺に達し、肺塞栓を招くこともあります。また慢性深部静脈不全を引き起こすと高度な腫れを生じたり、皮膚変色を引き起こすことがあります。抗リン脂質抗体症候群などに起因するものでは動脈に血栓が発生することもあり、これによって組織壊死や損傷をきたします。

原因

血液が過剰に凝固してしまう疾患であり、多くは静脈内において血栓を作るタイプの疾患が原因となっています。また遺伝や後天的疾患によって血栓形成傾向(けっせんけいせいけいこう)を示す場合があり、前者は血中において血液凝固をコントロールする蛋白質の量或はその作用の異常が原因となります。後者ではリン脂質抗体症候群や播種性血管内凝固などが原因となります。これらは血液凝固を亢進させるものであり、過剰な血液凝固因子の活性に由来します。その他、長期に渡っての安静や心臓発作、麻痺、手術後、心不全などが血液凝固を引き起こすこともあります。

治療法

複数回に渡って血栓を招いた場合にはワルファリンなど抗凝固薬の投与による治療方法がとられます。この場合、一生、抗凝固薬の利用が推奨されます。これは遺伝性に起因する血栓形成傾向が予測されるためで、血液検査によって遺伝性疾患を特定することが重要になってきます。また血栓発生が初めてのケースでも、家族の病歴などから遺伝性が推測されます。