急性細菌性髄膜炎

症状

急性細菌性髄膜炎(きゅうせいさいきんせいずいまくえん)では前兆として咳などを出現させることもあり、発症初期段階では発熱や頭痛、嘔吐、咽頭痛など示します。また出血を伴った炎症が毛細血管などに生じて、これが発疹を肌に発生させることもあります。進行すると錯乱状態を引き起こしたり、怒りやすくなったりして徐々に睡魔が襲うようになります。最終的には昏睡から死に至ります。尚、授乳中の小児では発熱や痙攣、嘔吐などを示し、次第に水頭症が現れます。

原因

多くは肺炎球菌及び髄膜炎菌が原因となっており、いずれも通常は害を出現させる菌ではありません。ところが、免疫機能低下や頭部外傷などによって感染することがあります。また、慢性副鼻腔炎、慢性中耳炎、過剰飲酒者、脾臓摘出後といった場合には、髄膜炎を引き起こす誘引になります。更にリステリア菌が原因して髄膜炎を引き起こすことがあり、こちらはコルチコステロイドの利用者や腎不全などが誘引になります。その他、大腸菌などに起因することもあります。

治療法

基本的に検査結果が出る前に治療を行います。これは急性に悪化し、死に至るケースがあるためです。通常、症状に対応した抗生物質の投与による治療方法がとられます。また抗痙攣薬や人工呼吸器なども症状に応じて適用されます。急性細菌性髄膜炎では早期発見、早期治療が重要であり、適切な治療を施せば、多くは完全に治癒します。治療が遅れると死に至らなくても、永久的な障害を残存させるなど後遺症が出てきます。尚、小児ではステロイド薬が投与されます。これは抗生物質による細菌死滅に起因する炎症が引き起こされるためで、ステロイドよって脳の腫れを抑制し、延いては頭蓋内圧を低下させます。