急性散在性脳脊髄炎

症状

急性散在性脳脊髄炎(きゅうせいさんざいせいのうせきずいえん)では全身の倦怠感をはじめ嘔吐、悪心、そして発熱や頭痛などを示します。また痙攣や項部硬直といった症状を示すこともあります。後に突如として神経症状が出現してくる傾向にあり、構音障害や運動失調、膀胱及び直腸の支障、四肢麻痺、半盲、片麻痺、失語、眼球運動障害、眼振などが該当します。

原因

特発性、感染後、ワクチン接種後に分類されています。感染後の本疾患ではウイルス感染であるインフルエンザ、腸チフス、流行性耳下腺炎、百日咳、水痘、麻疹といったものを原因として発症します。これはアレルギー反応によるものと推測されているため、神経組織へ感染したことによるものではないとの見方が有力になっています。ワクチン接種後の本疾患では、インフルエンザの際のワクチン接種、風疹、麻疹、狂犬病などを原因に発症します。こちらはアレルギー反応が脳抗原などに示されたためと推測されています。いずれも感染後数日ないし二週間ほどの内に発症するに至ります。また大脳、小脳、脳幹、脊髄における白質にその変性が散らばって確認できます。尚、若年層では特発性に起因する場合が多く、小児では感染後に生じるケースが多いとされます。ただしワクチン接種後に関しては近年減少傾向にあります。これはワクチン改良の進展に由来するものとなります。

治療法

メチルプレドニゾロンなど、副腎皮質ステロイドによるパルス療法が主な治療方法となります。検査では末梢血における白血球及び蛋白量の増加などが見られます。