症状
軽いものでは軽度の精神発達障害、痙攣、骨変化といった症状を示します。重度のケースでは発育障害や精神運動発達障害、痙攣などが誕生してから間もなく出現してきます。また腎臓内において銅の含有量が増加し、肝臓、血清などにおいていずれも低値を示します。診断の際はこれらの数値とともに骨の異常や縮れ毛、捻転毛などが判断材料となります。尚、メンケス病(めんけすびょう)は縮れ毛病とも言います。
原因
銅欠乏状態を引き起こすことが原因であり、これは銅の吸収が消化管において障害されること、銅の運搬が各臓器へうまく行われないことに由来します。本症は肝臓内に銅沈着を呈しませんが、ウィルソン病と同じく血清セルロプラスミン及び血清銅低下を引き起こします。また縮れ毛を示しますが、これはケラチン異常に起因するもので、銅を含む酵素の活性化が阻害されます。更にエラスチンやコラゲンの障害から血管壁に異常をきたし、アスコルビン酸酸化の障害から壊血病と似たような症状を示します。その他、チトクローム呼吸酵素の異常から低体温、そして神経障害などを引き起こします。本疾患はX連鎖劣性遺伝に起因する銅代謝異常症であり、あまり見られない病気です。
治療法
なるべく早く診断することが大切であり、酢酸銅溶液による点滴を生後早くから実施することで改善が見られたとの症例が存在します。また銅の投与は中枢神経症状において有効性が認められませんが、軽症ものでは有効とするものも見られます。