リンパ球性脈絡髄膜炎

症状

リンパ球性脈絡髄膜炎(りんぱきゅうせいみゃくらくずいまくえん)ではインフルエンザに良く似た症状を示し、ウイルス潜伏期間は数日程度となります。初発症状では高熱を生じ、全身に渡る倦怠感と共に体も振るえます。また吐き気、筋肉痛、脱力、食欲不振、咽頭痛なども示されることがあります。これらの症状は数週間経過した後、一旦治まりますが、再びぶり返します。上記の症状と共に嘔吐や抜け毛が発生したり、指の関節部に腫れが生じ、痛みます。続いて頭痛及び首における硬直が出現しますが、これは髄膜炎によるものです。

原因

アレナウイルスに起因する疾患であり、げっ歯動物が感染源となります。ハムスターやハツカネズミなどがこれに該当し、便尿などと共にウイルスを排泄します。いずれも一度感染したら生涯感染したままとなります。本症はこれらの動物が屋内に移動した際に多く発生し、特に寒冷を避ける冬季に多発します。人間には、ウイルスに感染した動物の排便など、これがちりなどにまぎれて伝播します。

治療法

症状を軽減させる治療方法が中心となります。特にこれといった治療法は存在しないことから、改善されるまで症状を抑える方法がとられます。診断は血液中のウイルス抗体価上昇或は髄液中のウイルス存在が証明されることで確定します。尚、初発期は特に検査を実施することはありません。これはインフルエンザとの鑑別が困難とされているためで、髄膜炎の徴候が示されれば、髄液採取を実施します。