小舞踏病

症状

小舞踏病(しょうぶとうびょう)ではまず、皮膚症状、心筋炎、心内膜炎、発熱、関節症状、扁桃炎などリウマチ熱に付随する症状を示し、その後コレアを生じます。コレアは両手、両足、四肢や顔面において両側性に発生させますが、一側性のケースも見られます。診断はリウマチ熱の症状とA群β溶レン菌の存在によって行われます。もやもや病や甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能低下症、原発性抗リン脂質抗体症候群などとの識別も必要とされます。

原因

免疫反応が原因であり、これはA群β溶レン菌感染に起因します。小児期から思春期にかけてリウマチ熱に伴って生じるケースが多く、筋緊張低下を併発したコレアとなります。A群β溶レン菌における細胞膜への抗体が炎症を惹起すると言われており、これは視床下核及び尾状核と抗体が交差反応することに由来するとされます。

治療法

Lドパは固縮に有効なケースがあるとされます。本症ではドパミン受容体拮抗薬であるチアプリド、ペルフェナジン、ハロペリドールそしてバルプロ酸なども有効とされています。また鎮静作用を有する抱水クロラール及びバルビツレートなどは安静が維持できないコレアに対して適用されます。その他、ステロイドホルモンやアスピリン、ペニシリンといったものをリウマチ熱に対して用います。抗生物質の投与は長期間に渡りますが、これは心内膜炎の再発を防ぐ目的で行われます。