トローザハント症候群

症状

トローザハント症候群(とろーざはんとしょうこうぐん)では眼球の後部痛が継続して出現し、食い込む感じの痛みが数日先行して現れます。また脳神経系に障害を来たし、継続して数日から数週間症状を訴えます。ただし、自然に改善が見られるものの、ある一定の周期で再発する傾向があります。似たような症状を示す粘液腫においても副腎皮質ステロイドで改善が見られることもあり、これらはMRIによる鑑別が必要となります。また動静脈瘻、動脈瘤、結核、糖尿病性眼筋麻痺、海綿静脈洞周囲における腫瘍、眼筋麻痺性片頭痛、サルコイドーシスなどとの識別も重要となります。全身性の反応は示さないものの、海綿静脈洞の病変が手術或いは血管撮影にて確認できます。尚、検査の際のCTでは適正範囲内であるケースが多いとされています。

原因

非感染性非特異的肉芽腫性炎症が原因であり、本疾患は海綿静脈洞に位置します。検査は頚動脈造形の他、眼窩静脈造形にて行われます。前者では狭窄が内頸動脈サイフォン部において見られ、後者では狭窄が上眼静脈に見られます。

治療法

数ヶ月から数年の周期で再発する傾向があるものの副腎皮質ステロイドの投与による治療方法で明らかな有効性が認められています。