トゥレット症候群

症状

瞬きを何度も繰り返す癖はチックでなくとも多々見られる症状ですが、トゥレット症候群(とぅれっとしょうこうぐん)の場合はチックの動作の前にチックの動作をしたくなるという衝動に駆られます。つまりチックが起こる前に、首を伸長させたり、頭を左右に振ったりします。短い時間であればチックの動作をしないよう耐えることができますが、通常その抑制が効かなくなっていきます。悪化すると声を出したりもしますが、その際、悪態をついたり、汚い言葉をはいたりします。成人では社会生活を送る上で問題が生じ、小児では学習に支障が出る傾向にあります。

原因

遺伝が原因となっており、その詳細はハッキリと解明されていません。一年以上の間、二十四時間チックが声帯及び筋肉において生じる疾患です。チックとは不随意性の繰り返し行われる動作のことを指しています。多くは乳児期に出現し、女性より男性のほうが発症率も高くなっています。脳神経伝達物質の異常が指摘されています。

治療法

軽症であれば、鎮静薬やクロニジンなどが用いられます。重度の症状であれば、リスペリドン、フルフェナジン、ピモジドといった抗精神病薬やボツリヌス毒素などによる治療方法が採用されます。ハロペリドールと呼ばれる抗精神病薬はチックを抑えるのに有効とされていますが、副作用として思考力低下や視力障害、体重増加、遅発性ジスキネジアといった症状を出現させます。ボツリヌス毒素はその中毒を惹起するものであり、筋肉麻痺を発生させることから、チックの見られる個所の筋肉にこれを注射することでトゥレット症候群を抑えることができると言われています。